当院の睡眠時無呼吸症候群の検査と治療
当院では、睡眠時無呼吸症候群の検査と治療を行っています。いびきや日中の眠気などでお悩みの方は、一度ご相談ください。無呼吸状態が一晩中続くと、眠りが浅くなるので起床時も熟睡感がなく、日中の眠気が強まり、集中力が低下します。加えて、無呼吸による低酸素状態で心臓、脳血管に負荷がかかり、高血圧、心筋梗塞、脳卒中などを発症する危険性が高まります。
いびきと睡眠時無呼吸について
いびきは上気道という、のどの狭い部分を空気が通る際、のどの粘膜がブルブルと振動して音が鳴るものです。空気が吸い込まれたとき、のどの粘膜は中心部に吸い寄せられますが、睡眠時無呼吸は空気の通り道が完全に閉じてしまった状態です。
簡易検査
※治療に先立ちいくつかの検査があります。
SpO2モニター
自宅で行うスクリーニング検査です。睡眠中の血液中酸素濃度を測定して、無呼吸の有無を確認します。
内視鏡検査
いびきの発生部位や無呼吸の原因部位を確認するため、睡眠中、もしくは仰向けで横たわった状態で内視鏡検査を行います。鼻、軟口蓋(なんこうがい)、扁桃腺、舌根(したのつけね)の狭い部分といびきの際の動きを調べます。
X線検査
セファロメトリーという顔面のX線写真で、下顎骨の大きさや舌骨、頸椎などを指標に気道の広さを計測します。
精密検査
終夜睡眠ポリグラフ検査
夜間睡眠中の呼吸状態、いびきの状態、血中酸素濃度、脳波を記録します。いくつかセンサーを手や顔に装着する必要がありますが、一晩入院してこの検査を受けるだけで睡眠時無呼吸症の有無や程度が診断可能です。
睡眠時無呼吸症候群の治療と手術
検査結果から重症度と原因部位を判断し、患者さま一人ひとりに最適ないびき・無呼吸の治療方法を選択します。治療と組み合わせて減量も大切です。適度な摂取カロリー制限と毎日30分以上のウォーキングなどの中等度の運動を続けましょう。
コブレーション粘膜蒸散治療
いびきの発生部位が軟口蓋~口蓋垂の場合で、軽症~中等症例の無呼吸のないいびきに行われる治療です。局所麻酔による20分ほどの手術で軟口蓋の粘膜を蒸散・減量させます。1泊入院で行います。
咽頭形成(いんとうけいせい)手術
中等症~重症例の患者さまで、口蓋垂(のどちんこ)や扁桃腺が大きい場合に実施される全身麻酔による手術です。手術は1時間程で終わり、6泊7日の入院が必要です。また、鼻内に閉塞部位がある場合は、下甲介切除術や鼻中隔矯正手術といった鼻内手術も行います。
CPAP(シーパップ)療法
上気道内に持続的に空気を送りこむためのマスクを毎日、寝るときに装着する治療方法です。中等度~重症の無呼吸症に適応され、治療効果は閉塞部位に関係なくほぼ100%と非常に有効です。
歯科装具療法
寝るときにシリコン製の歯型を装着し、下顎をわずかに前方に突出させることで舌の付け根の閉塞を軽減させます。